真の「学際」研究をシミュレーション
以下では、具体的な課題を設定し、このような課題に対して、本研究科が用意する4つのカテゴリーからどのような科目を選び、どのように多面的なアプローチを行いながら、「学際」研究を実践していくのかシミュレーションしてみましょう。
メディアの機能を追究
「メディア」とは本来ラテン語の「medium」(中間にあるもの)が原義です。現在では多くの場合、マスメディアやメディア技術の意味で用いられること が多いようです。ですが「メディア」の本来の意味に立ち戻りながら、この概念を掘り下げていくとき、様々な事が見えてきます。自然カテゴリーの「メディア論」を中心にしながら、社会カテゴリーの「社会システム論」で社会とメディアの関係を掘り下げ、また文化カテゴリーの「言語システム論」では「言語」とい う格別なメディアの特性を考えることもできるでしょう。同じく文化カテゴリーの「表象文化論」では芸術とメディアの関係を探ることも可能です。そうした研 究から情報社会において「メディア」が果たす多様な機能が浮かび上がってくるのです。
コミュニケーションの諸相
私たちはふつう「コミュニケーション」というと言語を介した意思の疎通をイメージします。ですがコミュニケーションは必ずしも言語を媒介としたものばかりではありません。「コミュニケーション」を学際的な研究対象に据えることでその多様な諸相が浮き彫りになります。人間カテゴリーの「組織コミュニケーション論」ではコミュニケーションが、組織が目的を達成するにあたっての調整原理として主題化されますし、文化カテゴリーの「異文化間コミュニケーション」ではコンフリクトの側面が強調されます。そして自然カテゴリーの「生命論」では、コミュニケーションが人間以外の動物はもとより植物においても重要な役割を果たしていることが明らかになります。学際研究によって事象を多面的・多角的に考察する視座が開けてくるのです。